ロレックス転売は本当に悪なの?実際に参加して感じた、転売する人たちの人柄と知られざる世界
「ロレックスの転売」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。
おそらく、あまり良いイメージを持たない人のほうが多いのではないでしょうか。
私自身も、正直に言えばそうでした。
そもそもメーカー側も転売を防止するための策をとっており、喜ばしいことではありません。
「転売=悪」というイメージは、私の中にもありました。
ましてやロレックスは、誰もが一度は憧れる高級時計。
それを購入して売るという行為には、どうしても複雑な気持ちがありました。
ところが、実際にロレックスの転売に関わる人たちと一緒に行動してみると、私が最初に想像していた世界とは少し違っていたのです。
そこにいたのは、私が勝手に想像していた「転売ヤー」というイメージとはまったく違う、人柄が柔らかく、話が面白く、相手をよく見ていて、時計そのものを楽しんでいる人たちでした。
今回は、そんな私自身の体験をもとに、ロレックス転売の世界で出会った人たちについて書いてみたいと思います。
ロレックス転売=悪だと思っていた私
まず最初にお伝えしておきたいのは、この記事はロレックスの転売を勧めるための記事ではありません。
また、正規店の購入ルールをすり抜ける方法を紹介する記事でもありません。
私が伝えたいのは、「転売をしている人=悪い人」と決めつけてしまうのは、少し違うのではないかということです。
世の中には、いろいろな事情を抱えている人がいます。
事業に失敗した人。
突然、生活環境が変わってしまった人。
過去の出来事によって、クレジットカードを持つことができなくなってしまった人。
もちろん、自己破産をしたからといって、その人が「だらしない人」だとは限りません。
私自身も、以前はどこかで「自己破産する人には、それなりの理由があるのでは」と思っていたところがありました。
でも、人は誰でも、人生の中で何が起こるかわかりません。
事業をしていた人が失敗することもあります。
自分では予想もしなかった出来事によって、お金に困ることだってあります。
そんな経験をした人が、もう一度お金を貯めて、自分の欲しいものを現金で買おうと思ったとしても、購入方法や店舗側のルールによっては、簡単ではない場合があります。
そこに「誰かが代わりに購入し、必要としている人に渡す」という仕組みが生まれる。
それを世間では「転売」と呼んでいるわけです。
私が出会った「名義人」と「プレイヤー」
私が今回関わった世界では、購入者として同行する人を「名義人」、そして一緒に店舗へ行き、店員さんとのコミュニケーションを担う人を「プレイヤー」と呼んでいました。
最初に聞いたとき、私はプレイヤーという言葉から、勝手にこんなイメージを持っていました。
「ものすごく演技が上手な人なのかな?」
「店員さんをうまく丸め込むような人なのかな?」
ところが、実際に会ってみて驚きました。
まったく違ったのです。
私が出会ったプレイヤーの方は、とても人柄が柔らかい。
話し方も穏やかで、相手の話をよく聞く。
そして、会話の切り返しがとにかく上手なのです。
「この人、話すことそのものを楽しんでいるんだな」
そんな印象を受けました。
プレイヤーは「演技が上手い人」ではなかった
ロレックスの正規店では、基本的に一人のスタッフの方が接客してくれます。
そこで、どんな時計を探しているのか、どんなデザインが好きなのか、どんな仕様を希望しているのかなど、さまざまな会話が始まります。
そこで私が感じたのは、単に「欲しい」と言えばいいわけではないということでした。
会話の節々から、その人が本当に時計を好きなのか。
どんな時計を探しているのか、自分自身の中で明確になっているのか。
そして何より、その人自身が自然体で会話をしているのか。
そういう部分が、なんとなく伝わっていくように感じました。
本当に欲しいものが決まっている人は、身振り手振りや表情、話し方からも「欲しい」という気持ちが伝わってきます。
反対に、希望するものが途中でどんどん変わってしまったり、「こっちもいい」「あっちもいい」と迷っている状態だと、それも自然と伝わってしまう。
私は実際に自分が体験してみて、そこにとても驚きました。
「迷っている」ことまで店員さんには伝わる
私自身、最初はかなり具体的に希望を伝えていました。
「黒い文字盤がいい」
「周りにダイヤモンドが入っているものがいい」
「ギザギザしたベゼルがいい」
「ブレスレットも細かい目のものがいい」
そんなふうに自分の希望を伝えていました。
ところが、店員さんの意見を聞いたり、一緒に行った人たちの話を聞いたりしているうちに、私はだんだん迷い始めてしまったのです。
そして、そんな私を見ていた店員さんから、とても印象に残る言葉をいただきました。
「そんなに迷われている状態で、大切な一本を決めるのはどうなのかなと思います」
そんな趣旨のお話でした。
その瞬間、私は思いました。
「ああ、迷っていることって、こんなにも相手に伝わるんだ」
店員さんはプロです。
長い時間、多くのお客様と接してきたからこそ、言葉だけではなく、その人の表情や間、話し方、雰囲気まで見ているのかもしれません。
ロレックスを買うことは「時計を選ぶこと」だけじゃない
私がこの経験を通して感じたのは、ロレックスを購入するということは、単純に「お金があるから買える」というものではないのかもしれない、ということです。
もちろん、お金は必要です。
でも、それだけではない。
どんな時計が欲しいのか。
なぜその時計が欲しいのか。
どんなところに魅力を感じているのか。
そういった気持ちを、自分自身が理解していること。
そして、それを自然に相手へ伝えられること。
そこには、ある意味で一種のコミュニケーション能力が必要なのだと感じました。
プレイヤーの人たちは、時計だけを見ているわけじゃなかった
さらに私が意外に思ったのは、プレイヤーと呼ばれる人たちが、単純に「報酬をもらうためだけ」に動いているわけではなかったことです。
もちろん、仕事として報酬を受け取るわけですから、そこは大きな目的の一つでしょう。
でも、それだけではありませんでした。
一緒に行く人のことを考えている。
どんな時計が出てくるのかを楽しみにしている。
店員さんとの会話を楽しんでいる。
そして、普段なかなか見ることのできない高価な時計が目の前に出てきたときの高揚感を楽しんでいる。
それは、私が想像していた「転売」という言葉からは、まったく想像できなかった世界でした。
60代のプレイヤーに感じた「人への愛情」
私が特に印象に残っているのが、60代のプレイヤーの方です。
とても60代には見えないほど陽気で、会話が上手。
そして、とにかく人の話を親身になって聞いてくれる方でした。
私たち名義人に対しても、本当に親身になって接してくれました。
「せっかくここまで来たんだから、一本でも買って帰らせてあげたい」
そんな気持ちが伝わってくるのです。
もちろん仕事としてやっている部分もあるでしょう。
でも、それだけでは説明できないような、人に対する温かさを私は感じました。
「転売をしている人」という一言だけでは、とても表現できない人でした。
私自身は、実は複雑な気持ちで参加していた
そして、ここは正直に書いておきたいと思います。
私は今回、最初から転売に対して肯定的だったわけではありません。
むしろ、かなり複雑な気持ちを抱えていました。
クレジットカードで決済することにも、正直なところ抵抗がありました。
「本当にこれでいいのかな」
そんな気持ちがどこかにあったのだと思います。
もしかしたら、その迷いは店員さんにも伝わっていたのかもしれません。
だから私は、結局一本も購入することができませんでした。
でも、だからこそ今回の経験は、とても意味のあるものになりました。
「転売=悪」という一言では片付けられない
もちろん、転売によって欲しい人が買えなくなってしまうケースがあることも事実です。
正規店やメーカーが定めているルールを守ることも大切です。
だから、私は「転売なら何をしてもいい」と言いたいわけではありません。
ただ、私が実際にその世界に入ってみて思ったのは、
「転売をしている」という一点だけで、その人の人格まで決めつけてしまうのは違うのではないか。
ということでした。
人には、人それぞれの事情があります。
仕事として転売に関わっている人もいれば、人とのコミュニケーションや時計を見ることそのものを楽しんでいる人もいる。
誰かのために動いている人もいる。
そして、私が出会った人たちは、少なくとも私が想像していた「悪い転売屋」というイメージとは、まったく違う人たちでした。
ロレックスの空間そのものが特別だった
そして、もう一つ私が忘れられないのが、ロレックスの店舗で過ごした時間です。
綺麗な時計。
洗練されたデザイン。
普段の生活ではなかなか触れることのない高級時計。
それを実際に手に取って、試着する。
そして、スタッフの方が一人のお客様に丁寧に向き合ってくれる。
その空間には、時計が好きな人たちの「好き」という気持ちがあふれていました。
私は普段の生活では、なかなか味わうことのできない感覚を味わわせてもらったように思います。
スタッフの方々の対応も、とても丁寧でした。
言葉遣いも丁寧で、一人のお客様としっかり向き合ってくださる。
「高級時計を買う」ということだけではなく、そこにいる時間そのものが特別なものに感じられました。
私がロレックス転売の世界で見たもの
今回、私が見たのは「転売」という言葉だけでは表現できない世界でした。
そこには、仕事として動く人がいて。
一緒に購入を目指す人がいて。
時計を愛する人がいて。
店員さんとの会話を楽しむ人がいて。
そして、人と人とのコミュニケーションがありました。
もちろん、ロレックスの転売については賛否両論あるでしょう。
私自身も、今でもすべてを肯定できるわけではありません。
それでも、実際にその世界を見たからこそ、私は一つだけ強く感じることがあります。
「転売をしている人だから悪い人」とは限らない。
これだけは、実際に会ってみなければ分からなかったことです。
最後に――「知らない世界」を知るということ
人は、自分が知らない世界に対して、どうしてもイメージで判断してしまいます。
「転売屋だから悪い人」
「自己破産した人だからだらしない人」
「高級時計を売買している人だから、お金にしか興味がない人」
でも、実際に会ってみると、そのイメージが大きく変わることがあります。
私が今回出会ったプレイヤーの人たちは、会話が上手で、人に対して柔らかく、相手を楽しませることができる人たちでした。
そして、ロレックスという時計を通して、普段の生活では味わえないような高揚感やワクワク感を楽しんでいました。
もちろん、ルールを守ることは大切です。
誰かに迷惑をかけることも避けなければなりません。
それでも、私は今回の経験を通して、
「世の中には、自分が知らないだけで、いろいろな働き方や、いろいろな人の事情があるんだな」
と感じました。
ロレックス転売。
その言葉だけを聞けば、悪いイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、その中にいる「人」を実際に見てみると、そこには思っていた以上に、人間らしくて、面白くて、温かい部分もありました。
今回私が伝えたかったのは、まさにそこです。
転売という言葉だけで、人を決めつけない。
そんな見方もあっていいのではないでしょうか。
